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やさしいキスをして?
第18章 おまけ〈ゆうひ②〉
『おい、あさひっ!』
『…あれ、ゆうひじゃん。』
ドアの所から呼ぶと、のん気に手を振ってくる。そうじゃねー、コッチコッチと手招きをしたら、もれなく周りの男子から睨まれた。
『何、どうかしたの?』
『…別に。』
『は?何それ、わざわざ呼びつけておいて?』
『…フン。』
『……?どうしたのよ。アンタ、珍しく機嫌悪いの?』
心配そうに見上げてくる視線に、ちょい癒される。でもなぁ…このイライラの原因を伝えたところで…
『う〜わ…ブッサ!何なのその仏頂面?』
『…………』
男のデリケートな心情を、あさひが汲み取ってくれるとは思えねぇもん。せめてさ…もうちょっと位、おれの彼女だって意識を持ってくれたらいいのに!鈍感はさておき、無防備は困るよ…
『……昼メシ』
『ん?』
『今日の昼メシ、一緒ん食お。』
『いいわよ、じゃあマドカと三人で…』
『二人で!』
『はあ?』
『今日は二人で食いたい。んじゃ、後で迎えに来るからな!』
言うだけ言って、逃げてきてしまった。