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旦那様☆ロマンチスト
第9章 ご乱心な奥様
「ただいま」
「…お帰りなさい」
―――よかった…。
みーなの様子が何だか気に掛かり、今日は早めに仕事から帰宅した俺。
昨日、凛子のことを何とかした後で帰宅した時には、もう日付が変わってしまっていた。
正直俺は、みーなが俺達の寝室じゃなく、客間に布団を敷いて寝ていたという事実に、かなり落ち込んだのだ。
みーなを誘って、あの場所できちんと話をしようって行動した矢先に、大事なみーなをないがしろにしてしまったことに、仕方無かったとはいえ胸が痛む。
もしかして、家を出て、実家に帰っていたら―――そう考えたら、今日は一日仕事が手につかなかった。だから、みーなの「お帰りなさい」が聞こえた時は、ホッとしたのだ。
でも、何かがおかしい。
俺を出迎えたみーなの顔に浮かぶ作り笑顔。
ここ一週間は別にして、いつもは寛いだホームウエアでふんわり出迎えてくれる俺のワンコは、そこにはいなくて。代わりにキチンと化粧をし、青いワンピースを着た、よそ行きの笑いで微笑む綺麗な樹菜がそこにいた。