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旦那様☆ロマンチスト
第12章 ロマンチックな旦那様
「じゃあ…なんで…左手の薬指に指輪、無かったの?」



お布団の中でのピロートーク。



俺はみーなに言われて、どきり、とする。



いつも、本ばっかり読んでいて。俺の足元に纏わり付いて懐いてくる…。



傷付きやすくて、涙もろくて。ぽあぽあしている、そんな奥さんだと思っていた。



でも、落ち込んでぐちゃぐちゃな感情を持て余して、妄想して突っ走っていても―。



ちゃんと気が付いていたのだ。



もう、燃え上がる時期は過ぎて。でも一緒に居るのが当たり前で。みーなは言葉を欲しがるけれど、今更恥ずかしくて言葉に出来なかった。



毎日一緒に暮らして。同じ時間を共有して。共に年を重ねる。



居ないのは淋しいし、つまらないし、耐えられない。


みーな、お前俺の隣にいろよ?言葉にしないからって愛していない訳じゃ無い。


言葉にすると…なんだか安っぽくなってしまいそうで。それだけ想いは深くて。…言えないだけなんだよ。
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