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旦那様☆ロマンチスト
第2章 甘々な旦那様
そんな気持ちを胸の中にしまいこむ。
意気地無しな私は、それを敏さんに向かって口にすることが出来ないのだ。
―――休みなのに、つまんない。
また、胸をよぎったその思い。
一人で映画もつまらないし。
敏さんが出掛けるのなら、私も買い物とか、日常のいろいろを片付けてしてしまおうか、そんなことを思い気をとりなおし、ふと、冷静に考えれば、猫のみーちゃんにヤキモチ妬いてしまったことが、恥ずかしくなる自分がいた。
そんな自分の気持ちをごまかすように、今日の晩御飯は、敏さんの好きなシチューにしよう、なんて。
そんなことを思いながら、敏さんが出掛けた後に、私も家を出たのだ。
ほんの小さな、自分でも気がつかないぐらいの、そんな不満未満の感情の薄い澱。
その薄い膜が、無意識のまま、静かに心臓の奥の奥の方に沈み込んでいくのを止めることは出来ないまま。その澱の存在を知らないまま―――…。