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旦那様☆ロマンチスト
第3章 疑惑の旦那様
―――たまにはこうして歩くのもいいな。
田舎だから山と田んぼばかりだ。
山間の街だから凄く山が近い。
山の方に目を向ければ、随分、里山に紅葉が下りて来ていた。
全体に黄色な色合いに、時折混じる紅い紅葉。
カラフルに色づいた山と、高い澄んだ青空とのコントラストが美しくて思わず見とれた。
都会から来た親戚は、この牧歌的や雰囲気に癒されるね――そんな風に。
遊びに来る度に言われていたものだけれど、小さい頃からずっと住み続けている私にとっては当たり前の風景で。
ただそこにある自然に、意識して目を向けることなんてなかったから、そんな当たり前の景色に、少しだけささくれた心が癒されるのを感じた。