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旦那様☆ロマンチスト
第4章 灰色な旦那様
眼をつむれば、昼間の敏さんと若い女性の姿が瞼にちらついた。
残り香が移るぐらい、その距離が近づいた事が気になった。
―――無防備なその顔を私以外の女性も知ってるの?
時間が経てば経つほど、段々聞くタイミングを逃してしまい聞きづらくなるのは解っているのに。
変なプライドから、口にすることが出来なかった自分を恨んだ。
嫉妬で心が押し潰されそうになって、
苦しくて泣きそうになる。
隣で静かな寝息を立てている敏さん。
眠っている敏さんと躯の距離を少し空けると、
私は彼にそっと背中を向けた。