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旦那様☆ロマンチスト
第7章 妄想する奥様
―――寒くないように準備しろよ。
夜にドライブに出掛ける場所なんて、私達が住んでいる辺りでは行き先が限られている。寒くないように―――敏さんからのその言葉は、その行き先が夜景だということを示していた。
いつもなら、敏さんから誘われたら凄く嬉しくなてしまうドライブなのだ。
敏さん曰く、私のお尻にはしっぽがあって、ブンブン尾尻を振って喜ぶワンコみたいらしい。
敏さんと一緒なら行き先は何処でも楽しいけれど、夜景は――特別だった。
だって、敏さんから、付き合おうって告白されたのも、初めてのデートも。凄く時間が掛かったファーストKissも。そして……プロポーズも。
みんな、みんな。私達の全てのスタートラインは夜景の綺麗な公園から始まっている、特別で大切な、甘い想い出がたくさん詰まった場所なんだもの。