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第7章 妄想する奥様

　だから、敏さんからのその誘いは嬉しい。嬉しい筈なのに…。なのに、敏さんからの久しぶりの誘いに、少し胸がざわついてしまう私がいる。
　
　

――― 始まりの場所で終わりにする。



　敏さんがそんな風に思っていたら――このドライブにそんな意味があるとしたらどうしたらいいの？

　敏さんからは、結局何も聞けてはいないし、私から聞くタイミングも失ってしまっているた。
　無口な敏さんの瞳が、物言いたそうに私を見ていたりする視線を感じない訳じゃない。
　その意味は、
　

―――もしかして、別れを切り出せないでいる、とか。


　二人の関係を。夫婦生活を、綺麗に終わらせる為にこの特別な始まりの場所を選んだのだろうか。