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恋のリサーチ
第4章 はじめて・・
3時までまだ10分あるが、
私は待ち合わせの駅で聖夜を待った。
構内のトイレに行き、鏡でのチェックも散々して
時間をつぶす。
それでも改札口の前で時計を見るとまだ5分、あった。
もう少しかな・・
体をひねりながらあたりを見回すと、
見覚えのある顔が目に飛び込んだ。
あ、あれ、聖夜さん・・?
目と口が大げさにあいてしまったのは、
彼のその姿に驚いたからだ。
毎朝見る彼と・・ぜんぜん違う。
淡いピンクの、たぶんオックスフォードの生地の
ボタンダウンのシャツに、
ジーンズの裾をロールアップさせて。
足は素足に、私にさえ高級さがわかるくらい
上品なローファー。
肩にプロデューサー巻したニットは、
シャツの色にマッチする薄いグレー。
髪は・・風にふわりとなびく。
ワックスも何もつけていない。
いつも会う時は・・朝会う時は・・
髪はさらさらしてないし、いつもスーツはいかにも
海外のブランドものって感じだし。
ネクタイなんてもちろんしていない。
シャツのボタンはいくつ開けるのよってくらいあいてるし。
そんな不自然なほどかっこいい姿しか
見ていないから・・
私の心臓はバクバクし始めた。
ちまたでは珍しくないファッションに身を包んだ、
こんな身近な一面をもっているなら、
そんなに不釣り合いには見えないかもしれない・・
年齢は、明らかに私のほうが年上、とみられるだろうけど・・・!