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恋のリサーチ
第4章 はじめて・・
聖夜がこちらを見た。
いつものように手をあげてる。
思わず私は駆け寄った。
たいした距離じゃないけど走れば、
呼吸が少しでも荒くなれば、
ドキドキを隠せるかもしれないと思ったから。
「おう!・・来たな」
「こんにちは・・あの・・」
言葉よりも視線で彼に語りかけた。
今日のスタイルについて。
顔から下へと視線を滑らせると、
「なんだよぉ、なんかヘンかよ」
腕組みしてあごを突き出す。
頭一つ私より背の高い聖夜を、
初めて下から見上げる。
「だって・・いつもと違うんだもん。
すこしびっくりしちゃった・・」
「お、オレも今ビックリした」
「え?」
「やっと敬語じゃなくなったな」
・・あ、ほんとだ、やっと・・
「そうですね・・」
照れくさくて、肩をすくめて下を向く。
「なんだよ、また逆戻りじゃねーか!」
私の肩を抱くようにして一歩を踏み出す。
彼に吸い付くようにその動きに身を任せ、
駅を背に歩き出した。