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恋のリサーチ
第4章 はじめて・・

まったりとした時間は、

その雰囲気とは逆の早さで過ぎていった。


時計の針はもうすぐ5時を指そうとしている。

まだまだ家路につくような時間ではないが、

ここいらで一区切り、という空気に包まれ、

私ももそもそとお尻を動かした。


が、これでおしまい、は物足りない。

いや、もっと聖夜といたい。

それが私の気持ち・・


よし!はっきり言おう!自分から言おう!

決意を胸に自分を奮い立たせ顔をあげると、

すでに見通されていたようだ。



「ちょっと早いけど夕飯行こうか」



聖夜のほうから次なる予定をつくってくれた。



「うん、連れて行って」



よかった、まだ彼と一緒にいられる・・・





「オレがいつも行くイタリアン、青山にあるんだ。

 よし、タクシー止めっか」



細い路地から車通りへ、さらに大きな幹線道路へと移動しながら

聖夜は車の流れの中にタクシーを探している。



「ねぇ待って!」



彼の腕を揺さぶる。



「地下鉄で行きましょ、まだ時間に余裕あるでしょ?

 それに・・」


「なんだよ?」


「もっと聖夜さんと並んで歩きたいから」



ようやく言えた。

相手の提案をさえぎって、自分の意見をとおすという事。

今まで、先を越されると必ずうんいいよ、と

相手の意見にあわせてきた。

ゼッタイにまずい事でなければいつでも

相手に任せていた。

この前聖夜に言われたように、

相手の顔色をうかがってばかりじゃつまらない・・


聖夜は気持ちをくみ取ってくれた。

よし、紺ちゃんにしたがおう!とギュッと肩を抱き寄せて

地下鉄の階段へと足を向けた。


彼の体に密着している部分が、

とろけそうなくらい熱を帯びてきた・・
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