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恋のリサーチ
第5章 聖夜を・・
彼とは住む世界が違う・・
そう判断するのは早すぎるかもしれないけど、
私だっていくつかの恋愛を経験してきた。
だから・・わかるんだ・・・
いくら好きになって、彼と一緒に過ごしたいと思っても、
違いすぎると安らげない・・
恋して、好きになって、この人と結ばれたいと願っても、
自分の生活を無理に変えてまで一緒にいるのは難しいし、
きっと疲れる。
聖夜を好きになった。
でも彼の恋人にはなれない・・
もしも、望まれたとしても・・・
彼には彼の生きる世界があるし
私にも私らしく生きる世界がある・・・
私たちは・・違いすぎる・・・
「まだ緊張してんのか?」
テーブルの角を挟んで隣に座る聖夜が
顔を近づけ心配そうに覗き込んできた。
せっかくの夜を台無しにしちゃうじゃない、私ったら・・
今夜は二度とないかもしれないんだから・・
うんと楽しまなきゃ・・
「ううん、大丈夫。
ふんぎりがついた」
「ハァ?ふんぎり?おおげさだなぁ!」
大きな背もたれに体をあずけた聖夜の向こうに
アイスペールをのせたワゴンが
こちらへやってくるのが見えた。
聖夜の右隣へ配置される。
アイスペールの中で揺らいでいる氷の
カラカラとした音が、
夢の夜の始まりの合図のように聞こえた。
あとはやるよ、とウェイターに声をかけると
一礼してさがっていった。
ワイングラスに注ぐ手つき、仕事柄
なれているのだろう。
すっごくかっこいい・・!
彼の手と、グラスに注がれるワインとを
交互に見つめる。
だって、胸がキュンとしすぎて顔を見られないから・・