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恋のリサーチ
第6章 夢にむかって・・
「まずは紺ちゃん、なにを飲みます?」


「え・・じゃあ白ワインのグラスを」



手渡されたおしぼりで手を拭きながら答えると、

その男は声をあげた笑った。



「え・・なにかおかしいですか?」


「ワインのグラスっていうのはないんですよ。

 みんなボトルです。どれにする?」


ワインリストを手渡されたが・・


「あ、じゃあ別のにします。

 ボトルなんて飲みきれないし、それに・・」



いくらするの?って考えただけで血の気が引く。

その様子もすぐに読まれたようだ。



「御代は聖夜さんがって言ったでしょ?

 それにボクらもいただきますから、大丈夫」



ワインリストを突き返された。

でもどれがどんなのかわからないから、

一番上に書いてあるのを指差した。

男は手をあげ合図し、

ウェイターにリストを見せ指差した。


彼の背中を見送ってから、隣りに座る男に




「あの・・それで聖夜さんは?」



と早々に切り出した。

いったい聖夜はいるのかいないのか。

どうしたのかをとにかく知りたいのだ。


男はうなずき、まずは自分は

麻耶といいますと自己紹介した。




「聖夜さんの2つ後輩なんです。

 聖夜さんにはとてもよくしてもらって、

 かわいがってもらってるんです」



嬉しそうに話す彼を見ていると、

聖夜の人柄の好さが伝わってくる。

べらんめぇな口調でちょっと威圧的だけど、

きっと優しくて面倒見がいいんだろうなと想像できた。



「で、一番紺ちゃんが知りたいことを先に言いますね。

 聖夜さんはもうここにはいないんです。

 正確に言うと移動になるんです」



え・・いない・・?

私は瞬きも忘れて麻耶の顔をじっと見た。

もうここにはいないって、

移動ってどういう事よ?

もう・・彼に会えないの・・?

そう顔に書いてあったのだろうか。

麻耶は続けてこう言った。



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