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恋のリサーチ
第6章 夢にむかって・・
「理由、知りたいですよね。
実は聖夜さん、新店の店長に抜擢されたんです」
「え?店長さんに?
じゃあ聖夜さん・・
夢がかなったんですね・・」
私の表情は途端に明るくなった。
あの夜話してくれた聖夜の夢。
自分の店を持つ前にこの店で店長になって
勉強したいって言っていたことが実現したんだ。
会えないことが残念でならないが、
この話を聞いて寂しさは少し晴れた。
「失礼します」
まるでこの話の区切りに合わせるかのように
ワゴンにのった白ワインとグラスが運ばれてきた。
ウェイターはワゴンを置くとそのまま戻っていき、
麻耶がサーブをしてくれた。
それはそれは優雅な手つきで。
注ぐ量は、大きなワイングラスに半分ほど。
そのグラスを宙に掲げると、
グラスの中で光が揺れた。
「では、聖夜さんの夢と
紺ちゃんとの出会いに・・乾杯!」
麻耶がグラスを合わせると、
風鈴のようなきれいな音をたてた。
「それで・・どこの店長さんになるんですか?
聖夜さんは」
もっと聞きたい、聖夜のこと・・
私は隣の麻耶ににじり寄って、話を催促した。
「銀座店、なんですよ、すごいでしょ!」
麻耶の声の興奮具合から、
それがすごい事なんだとういうのは十分伝わってきた。
新しくできる銀座店。
ターゲットを丸の内や銀座周辺のOL中心にした、
新しいタイプのホストクラブをめざしているのだそうだ。
お金を使ってハデな遊び、というよりは
癒しの場にしてもらいたい。
それを提案したのは聖夜なのだと麻耶は言う。
聖夜はこんなことを、麻耶に話したそうだ。