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恋のリサーチ
第2章 彼の目的
腿の上に置いて手をぐっと握りしめながら、
彼の口から理由が語られるのを待った。
でも期待外れに終わった。
「理由?そんなの知ってどーすんのよ?
男が女に声をかける。それに理由なんて必要?
ね、男と女だよ?想像つくだろうが。
おねえさんオレより歳とってんだろうからさ」
言い終わると、ウソでしょ!
私のコーヒーを一口すすったよ!ちょっと、やだ・・!
あっけにとられて固まってしまった私の前に
カップをグイッと押してきて、
手のひらを上に向け、どうぞ飲んでって仕草をした。
「気にしなくていいよ、オレぜんぜん平気だからさ」
あなたは気にしなくても私は気になる!
でも・・勇気を出して・・飲んだ。
見ず知らずの男が先に口をつけたコーヒーを。
「おお、いいねぇ。
やっとオレのペースにあってきたじゃん。
これで話も弾むよきっと」
カップ越しに聖夜をにらんでみた。
でもその視線に気づかれる前に、下を向いた。
「実はさ・・」
うつむいている間に彼の人格が変わったのだろうか。
おだやかな優しい声を私に向けた。
「勉強しようと思って」
「勉強?勉強って、なんのですか?」
次から次へと解りずらいことを言う人だ・・
「店の客がさ」
「はい」
「あんたはどんな客をイメージする?
ホストクラブに来るような客、っていうか女」
「え?はぁ・・派手で、お金持ちで・・」
「うんうん、それから?」
「男の人に慣れてる人、ですかね」
もっと具体的に言えば、
キャバ嬢、社長夫人、女社長、お金のあるキャリアウーマン・・
そういう、お金を使って遊ぶことができる女の行くところだと
思っている。
私のような金も魅力もないような女が行くところではない。
「もちろんそれもいる。でも最近じゃあ
あんたみたいな地味なOLとか増えてんだ」