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第15章 唯、女装する

「わ、わりぃ……」

「謝って済むと思うな！」

怒りにまかせて回し蹴りをお見舞いする。

その瞬間、ビリッと嫌な音がした。
ワンピースの裾が避ける音だった。

「きゃああああああ！」

パンツ見えてる！
ていうかお気に入りのワンピース！

パニックになる私に、澤村くんが駆け寄ってきた。

「唯さん、そこに座ろう」

そう言ってベンチまで誘導してくれる。
腰かけた私の膝に、澤村くんは自分のジャケットを被せてくれた。
これで破れた部分は見えない。