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第17章 唯、変身する

食器が割れる派手な音。
店内から女性の悲鳴。

周囲が騒然とする中、和樹は澤村くんと一緒にしゃべっていた男たちを一発ずつぶん殴っていった。

お店の人が慌てて出てくる。
警察を、と声が聞こえて、私もようやく我に返った。

「何やってんの、和樹！」

和樹は息を切らせて男たちを見下ろしていた。
そうだ、こいつ、頭に血が上りすぎると何もしゃべらなくなるんだった。

口に血の滲んだ澤村くんがこっちを見た。
立ち上がりながら睨みつけてくる。

「……何、おまえ」

そこにはもう、デートで優しくしてくれた澤村くんはいなかった。