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第17章 唯、変身する

戸惑う私を尻目に、ウッチー先輩は次々とドレスを持ってくる。
すぐに広い試着室はハンガーにかかったドレスだらけになってしまった。

すごい。
目がチカチカする。

ふわふわひらひらのドレスたち。
大きなリボンやたくさんのレースがついているもの、ラメやビーズで光り輝いているもの、たっぷりと裾が広がっているもの……。

なんてファンシー。
なんてロマンチック。

まるでおとぎの国の世界だ。

「この前はピンクのワンピース着てたんだってね～？　唯ちゃんちょっと日焼けしてるから、こういうはっきりしたピンクが似合うと思うのよ～。カズくんはマーメイドとかエンパイアとか言ってたけど、私はＡラインもいいと思うなぁ。唯ちゃん、目とか鼻とかは丸くて女の子っぽい形してるから、ふわふわ乙女系も似合うよねぇ～」

ウッチー先輩は次から次に話しかけてくるが、内容が高度すぎて頭が追いつかない。