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アナザー☆ステップ
第19章 唯、魔法が解けないことを知る
「真剣に言ってるのに何がおかしいんだよ」
「だ、だってなんか……あれ?」
笑っていたつもりが、突然涙が出てきた。
私、泣いてる?
気づいた時には、和樹が指で拭ってくれていた。
「せっかくの化粧が落ちんぞ」
「……どーせプロの手で上手く化けられたから、普段の私との違いにちょっと錯覚してるだけでしょ」
鼻をすすりながら呟いた。
「ちげーし」
和樹は私を抱きしめてくる。
鏡の側まで追い込まれた私には逃げ場がない。