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第23章 花梨、元カレに会う

「……なんで泣く？」

「だって……」

嬉しくて、同時にすごく怖かった。
あたしのせいで佐和紀にもしものことがあったらって考えたら、心臓が凍えた。

「ありがとう。でも、これからは無茶しないでよね。佐和紀の包帯ぐるぐる姿とか、本当にヤだし」

あんた顔が綺麗だから、そういう病弱な格好が似合いすぎてて怖いんだよ。

ぼろぼろ泣いていると、佐和紀の大きな手が伸びてきた。
あたしの湿った頬を撫で、親指でまなじりを拭ってくれる。

その感触が気持ち良くて、あたしは目を閉じた。

温かい。