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第24章 花梨、コスプレする

でも、行かない。
だって、佐和紀にはあたしのこと信じてもらいたいから。
ちゃんと約束は守る女だって思われたい。

あーでもこいつ、元が綺麗だから、本気メイクしたらマジやばそう。

今までライブ会場で直に見たバンドメンバーが美麗すぎて酸欠になりかけたことはある。
でもたぶん、佐和紀はそれを軽く超えちゃうかもしれない。

何かね、えっろいんだもん、こいつ。

今だって、じっとあたしのことを見つめる目には、変な危うさがある。
空気がハチミツみたいにねっとりと蕩け出す。

何だよー、何なんだよー。
せめて何か言ってよー。

ねぇ、わかってる？
今、密室で女と二人きりだって。
据え膳状態だって。