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アナザー☆ステップ
第25章 花梨、狼と戦う
夜も更けてきて、メンバーは衣装を着たまま解散した。
上からロングコートを着てしまえば何とかなるし、ここまで街中大騒ぎのイベントだとコスプレしたまま電車に乗っている人も多い。
何も言わなかったけれど、佐和紀はあたしを家まで送ってくれた。
いつもだったら素直に喜んだだろうけど、今日は無性にイライラする。
「服、汗抜きしてから返すから」
赤ずきんの衣装も佐和紀のものだ。
あたしも一緒に作ったからわかる。
自分だけ玄関に入ってすぐドアを閉めようとした。
だが、佐和紀が長い足を割り込ませてくる。
「……閉めらんないんだけど」
「……中入れろ」
命令形の言葉に、一瞬心臓が騒いだ。
低い声が耳の奥にまで響いて、頭の中をじぃんと痺れさせる。
上からロングコートを着てしまえば何とかなるし、ここまで街中大騒ぎのイベントだとコスプレしたまま電車に乗っている人も多い。
何も言わなかったけれど、佐和紀はあたしを家まで送ってくれた。
いつもだったら素直に喜んだだろうけど、今日は無性にイライラする。
「服、汗抜きしてから返すから」
赤ずきんの衣装も佐和紀のものだ。
あたしも一緒に作ったからわかる。
自分だけ玄関に入ってすぐドアを閉めようとした。
だが、佐和紀が長い足を割り込ませてくる。
「……閉めらんないんだけど」
「……中入れろ」
命令形の言葉に、一瞬心臓が騒いだ。
低い声が耳の奥にまで響いて、頭の中をじぃんと痺れさせる。