この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アナザー☆ステップ
第25章 花梨、狼と戦う
でもダメ。
今日はそんな気分じゃない。
ココアの一杯も出す余裕はない。
「やだ」
思いきってドアを閉めようとしたら、佐和紀が戸板をつかんで力任せにこじ開けてきた。
ムッとして反抗するが、力じゃこいつに敵わない。
ガタン!
大きな音を立てて扉は開かれ、気づいたらあたしは玄関の壁に押し付けられていた。
壁ドンなんて、上等じゃん。
睨み返そうと思ったけど、上手くいかなかった。
だって、間近で見る佐和紀は、綺麗すぎたから。
電車に乗る時にケモノ耳もカラコンも取ってしまったけれど、その代わり、真っ黒な切れ長の目が直にあたしを捕らえていた。
艶やかな瞳の表面が、真っ赤になっているあたしの顔を映し出す。
今日はそんな気分じゃない。
ココアの一杯も出す余裕はない。
「やだ」
思いきってドアを閉めようとしたら、佐和紀が戸板をつかんで力任せにこじ開けてきた。
ムッとして反抗するが、力じゃこいつに敵わない。
ガタン!
大きな音を立てて扉は開かれ、気づいたらあたしは玄関の壁に押し付けられていた。
壁ドンなんて、上等じゃん。
睨み返そうと思ったけど、上手くいかなかった。
だって、間近で見る佐和紀は、綺麗すぎたから。
電車に乗る時にケモノ耳もカラコンも取ってしまったけれど、その代わり、真っ黒な切れ長の目が直にあたしを捕らえていた。
艶やかな瞳の表面が、真っ赤になっているあたしの顔を映し出す。