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第27章 佐和紀、彼女ができる

ただ、そこは人の入れ代わりが激しいサークルだった。
入ったばかりの俺は、リアルが忙しくなったり、趣味に飽きた奴が出ていくんだろうと思っていた。

確かにそういうメンバーもいたけれど、本当はそうじゃない。
それを知ったのはずいぶん後のことだ。

そのサークルには、入ったばかりの俺に優しくしてくれた女の先輩がいた。
ずいぶん世話を焼いてもらって、人見知りの俺も彼女には懐いていた。

ある日、その人にキスをされた。

そういうことをするってことは、この人は俺のことが好きなんだろう。
もともと悪く思っていなかった相手だし、その想いを受け止めるのであれば、こちらもちゃんと報いなければならない。

まだガキだった俺が、幼稚な恋愛感情に振り回されるのに、そう時間はかからなかった。