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第27章 佐和紀、彼女ができる

――初めてできた彼女。

それが盛大な勘違いだと知ったのは、その人の本命の彼氏に殴られた時だ。
しかも、俺はたくさんいる浮気相手のうちの一人に過ぎなかった。

その瞬間、俺の心の中に、深い暗闇が口を開けた。

知りたくもなかった醜い感情が次から次へと溢れ出て、腐ったヘドロを吐くように周囲の人間を傷つけた。
自分の体が、ただの赤黒い血肉の詰まった、ずだ袋にしか過ぎないことを、少しでも突けば破裂して醜悪な膿が飛び散ることを、その時、俺は嫌というほど思い知った。

男女関係の乱れは、このサークルではよくあることらしかった。
カメラ担当としてイベントに来ていたメンバーの彼氏と、他のメンバーがくっついてしまったり。
周りに女だらけなのをいいことに、男性メンバーがあっちこっち手を出していたり。