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第7章 太基、冬の海に行く

母親である副園長先生の話によると、まどかちゃんはバレンタインに焼いたブラウニーの仕上がりに納得がいかなかったらしい。
確かにその日もらったものはあまり美味しいとは言えなかった。

一度は「気持ちがこもっていれば大丈夫」と自分に言い聞かせたまどかちゃんだったが、一晩経つといてもたってもいられず、また作り直したそうだ。
そしてバレンタイン二日後に俺にリベンジ作をプレゼント。

しかしそれもまた出来が悪かったため、さらに三日後にリベンジし……。

もうホワイトデーの方が近いというのに、未だにそれが繰り返されているのだった。
まどかちゃんがお菓子作りに成功するまで、このループは終わらないらしい。