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第14章 HEROES

ーーHERO　石田ーー


僕たちはプレゼンの緊張感から解放され

すっかり観光気分だった。


「石田さん、これ洋子ちゃんにどうかな？」

佐々木さんは明るいオレンジを基調とした
スカーフを広げた。

「お、綺麗だね。若い洋子ちゃんに似合いそうだ」

佐々木さんは嬉しそうに微笑み露店主と値段交渉をはじめた。

僕は隣の露店にあったスカイブルーのオーガンジーに目を奪われた。

きっと佐々木さんに似合うだろうな。

プレゼントしたら喜んでくれるかな。

近くにいるはずの佐々木さんに向かって声をかけた。


「佐々木さん」

返事がないので振り向いた


「佐々木さん！！」


佐々木さんは黒装束の男たちに囲まれ
連れ去られようとしていた

「まて！彼女を放せ！」

俺は男たちに殴りかかった。

でも今まで喧嘩らしい喧嘩などしたことのない俺は逆に腕をとられさんざんに殴られた。


「課長ーーーーーー！！」


声の限り叫んだ。

驚いた課長たちが店から飛び出してきた。

課長が見たときは彼女は男たちに車に押し込まれるところだった。