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顧みすれば~真の愛~
第14章 HEROES
別邸に移り住んでから3年が過ぎた頃
隣国との協力関係を図るため
父は隣国の姫を王妃として迎えた。
その頃には父の訪れもかなり減っていた
その王妃は翌年王子を産んだ。
さらにその翌年も王子を生んだ。
キリスト教徒の母にとってそれは裏切り以外のなにものでもなかった。
その知らせを受けた母は深く傷つき
心を失い
目から光が消えた。
実は父の訪れが減ったのも、母の信仰によるものだった。
この国にとってキリストは異端だった。それまで母に寛容だった国民までもが母の敵となった。
さすがの父も王として国民を敵にまわすわけにはいかなかった。
母と私を守るために、父は私たちを捨てたように見せかけていたのだ。
しかし、本心を知らされていない母は父の裏切りで深く傷つき、もう人としての感情も表情も見せることはなかった。
誰も頼る人のいない国で唯一の存在である父に裏切られた母の目には
もう、私すら写ることはなかった。
隣国との協力関係を図るため
父は隣国の姫を王妃として迎えた。
その頃には父の訪れもかなり減っていた
その王妃は翌年王子を産んだ。
さらにその翌年も王子を生んだ。
キリスト教徒の母にとってそれは裏切り以外のなにものでもなかった。
その知らせを受けた母は深く傷つき
心を失い
目から光が消えた。
実は父の訪れが減ったのも、母の信仰によるものだった。
この国にとってキリストは異端だった。それまで母に寛容だった国民までもが母の敵となった。
さすがの父も王として国民を敵にまわすわけにはいかなかった。
母と私を守るために、父は私たちを捨てたように見せかけていたのだ。
しかし、本心を知らされていない母は父の裏切りで深く傷つき、もう人としての感情も表情も見せることはなかった。
誰も頼る人のいない国で唯一の存在である父に裏切られた母の目には
もう、私すら写ることはなかった。