この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
顧みすれば~真の愛~
第14章 HEROES
私の母はヨーロッパの小国の貴族の生まれだった。
父がその国に招かれたとき晩餐会で出逢ったという。
二人はすぐに恋に落ち間もなく父は母を第三王妃としてこの国に迎えた。
母は父からの深い寵愛を受けやがて私を身籠った。
父には既に二人の王妃がいたが王妃たちが産んだのは四人の姫だった。
王子誕生を望まれながらなかなか恵まれない父に私は待望の第一王子としてこの世に生を受けた。
母は世継ぎの生母としてその地位は確固たるものになるはずだった。
しかし、現実はうまくはいかなかった。
ヨーロッパの血を受け継ぐ王子を心よしとしないものが現れ、王子を生んだ母に命を脅かすほどの数々の罠が後宮で繰り広げられていた。次第に心を病みはじめた母と私を守るため父は都から離れたオアシスに別邸をたて、私たちはそこへ移り住んだ。
母は敬虔なキリスト教徒だったが、この国に来てからは公に祈りを捧げることはしていなかった。しかし、別邸に移り住み心の拠り所を強く求めた母はキリスト教に傾倒していった。
はじめの頃は足しげく別邸に通っていた父も公務の忙しさに少しずつ訪れも減っていった。
父がその国に招かれたとき晩餐会で出逢ったという。
二人はすぐに恋に落ち間もなく父は母を第三王妃としてこの国に迎えた。
母は父からの深い寵愛を受けやがて私を身籠った。
父には既に二人の王妃がいたが王妃たちが産んだのは四人の姫だった。
王子誕生を望まれながらなかなか恵まれない父に私は待望の第一王子としてこの世に生を受けた。
母は世継ぎの生母としてその地位は確固たるものになるはずだった。
しかし、現実はうまくはいかなかった。
ヨーロッパの血を受け継ぐ王子を心よしとしないものが現れ、王子を生んだ母に命を脅かすほどの数々の罠が後宮で繰り広げられていた。次第に心を病みはじめた母と私を守るため父は都から離れたオアシスに別邸をたて、私たちはそこへ移り住んだ。
母は敬虔なキリスト教徒だったが、この国に来てからは公に祈りを捧げることはしていなかった。しかし、別邸に移り住み心の拠り所を強く求めた母はキリスト教に傾倒していった。
はじめの頃は足しげく別邸に通っていた父も公務の忙しさに少しずつ訪れも減っていった。