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笑うことしか出来ない私へ
第4章 裏と表

「いちこさん、大丈夫?」
黒服が声をかけてくる。

「何が?」

「飲み過ぎて具合悪くないかなって。」

「あぁ。ちょっとね。」

「お酒弱いのにね。」

「ドンペリが効いたわ。」

「今日は珍しく入れてくれましたもんね、橋本さん。」

「有り難いことだわ。
後30分で上がれる~!
あ、私土曜日休むから。」

「え!?嘘でしょ?
いちこさん、土曜日はいつも忙しいじゃないですか!」

「今回は休む。ダメ?」

「とりあえず、それで予定組みますけど…
もし怒られたら自分でママに言って下さいね。
ちなみに理由は?」

「………予定があるのよ。」

「珍しいですね。」

「まぁね。」

「顔変わりました?」

「整形してないよ。」

「ぷっ。違いますよ!
そういう意味じゃなくて…。
少しだけ表情豊かになった気が。
昨日会わないだけで違和感。」

「私が居なくて寂しかった?
そこまで細かく見てないでよね!
あんた私のこと好きだろ。」

「好きですよ。」

「えっ」

「っぷ!ははははは!!!
本当騙されやすいですね。
好きだけど、この好きは冗談ですよ。
本気にしないで下さい。
いちこさんってどっか抜けてますよね~」

年下の黒服にからかわれて
悔しいやら恥ずかしいやら
いつものことだが、私がからかっていると
いつの間にやら立場が逆転してる。

だから今日ばかりは私もさらに逆転してやろうと頑張る。

「私は好きだよ…あんたのこと。」

「え?冗談やめてくださいよ。」

「冗談に決まってんだろ、バカ。」

「うわっ!引く…」

勝った!
なんて低レベルな争いをして
楽しく時間が過ぎた。
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