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笑うことしか出来ない私へ
第6章 好き

泣いて泣いて
ひとしきり泣いて

やっと落ち着いた頃には
目は腫れてた。

こうたは泣き止むまで何時間も
ずっと隣で抱き締め
宥めてくれた。

「辛い過去を話してくれて
ありがとう。」

「嫌われたと思った。
もう、会えないかもって思ったよ。」

「…会えるよ。」

「こうた…。キス、しよ。」

「え?
お前、怖いんだろ?」

「大丈夫。お願い。嫌?」
勇気を振り絞る。
だって、やっと気持ちを伝えたから
少しは前に進まなきゃって…

本当は死ぬほど恥ずかしくて
キスなんて分かんないし
もちろん恋愛もしたことないし

こうたへの好きだって
他の人とは違うのかもしれない。

でも、離れたくなかった。
照れるってこともこうたと出会って初めて感じた。

色々考えてたら
唇にそっとこうたの唇が重なる。

この間は激しいキス。
今日は触れるだけのキス。

「ねぇ、」

「?」

「キスしよって
誘ってるって捉えちゃダメ?」

こうたが静かに遠慮がちに言う。

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