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片想いの行方 2
第11章 突然の再会
「ごちそ~さま。
近況報告も兼ねて、また今度ゆっくり飲もうよ」

「あぁ、つーかマジで実感わかねーな。
ヒカルが同じ会社にいるなんて」

「本社と店なんて常に敵対してんだから、同じであって違うよーなもんでしょ。
あ、あたしはあんたに彼女がいるかなんてどーでもいいから」

「…………」


ばっさり言い捨てるこの女とは、ゼミの奴の結婚式で会って以来だから、2年ぶりか。

俺たち男とつるんでるのが自然だった当時と、全然変わってねーな。


「じゃあねーヒメ。
ちゃんとうちの店にも来なさいよ」

「ヒカル」


ポケットに手を突っ込んで駅に足を向けたヒカルを呼び止める。

振り向いた彼女に

俺は願いを込めて、静かに口を開いた。



「……いい加減、ふっきれたんだろ?」



男勝りで色気のイの字も感じないこいつが………唯一見せた女の表情。


その時と同じ顔をして、ヒカルは切なそうに笑った。



「………残念ながら。

そう簡単には忘れてくれないんだよね、あたしの心」


「…………!」



あいつと同じ、黒髪を光らせて


ヒカルは駅の反対側にあるオフィス街に目を向けて、ひと際高いビルを見つめた。



「叶わない願いなのに、嫌になるよ。

………片想いって、しんどいわ」
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