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片想いの行方 2
第12章 叶わない願い
.。.:* side 美和 *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*


「………ヒメ、熱い……」

「………!」


ほとんど渇いた私の髪に、ドライヤーを当てっぱなしで

手を止めていたヒメが、慌ててスイッチを切った。


「悪い。ヤケドしてねぇ?」

「うん、大丈夫だよ。
……ありがとう」


自分でやるっていつも言ってるけど、この甘い時間はヒメの命令。

後ろのソファに座る彼の方に振り返り、ニッコリ笑うと

ホッとしたように、ヒメは私の髪を撫でて微笑んだ。


「…………」


……珍しいな、こうしてヒメが優しい表情をするなんて。

コンセントを抜いてドライヤーを片付けるヒメの前に、私は膝を立てて目線の位置を合わせた。


「……なにか、あったの?」

「え?」

「おとといの日曜にも、泊まったばかりだし。
平日の夜に突然来いって言われるの、今まで無かったから……」


こうしてヒメのマンションに泊まるのは、大抵金曜の夜か週末だ。

それに

夜ご飯を食べてる時から、一緒にお風呂に入った後の今でも

ヒメは何か考えてるみたいで、ほとんど話をしないから

少し心配になってしまう。


「なんだよ、平日は俺と逢いたくねーってわけ?」

「……え!? 違……きゃっ!」
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