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片想いの行方 2
第12章 叶わない願い
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「う~~ん、食べた食べた♪
お腹いっぱい♡」


太陽が高く昇ったお昼すぎ。

売店で買ったベーグルを2個平らげて、奈々さんは空に手を挙げて大きく伸びをした。


「今年は遅咲きだから桜もまだまだキレイだし、風が気持ちいいねぇ。
やっぱり春っていいよね……って、美和ちゃん?」

「……え? あ、はい!」


名前を呼ばれて、ハッと我に返る。

会社の屋上に並べられたテーブルの先で、奈々さんが不思議そうに私を見つめていた。


「大丈夫~?
お弁当食べる手が止まってたよ」

「すみません、ぼーっとしちゃって」

「いや、いいのよ。
こんな陽気な気候じゃ眠くもなるよね~」


奈々さんはふっと笑いながら、食後のコーヒーを口に含んだ。


「……………」


4月の2週目に入って、冬の寒さは完全に終わったように感じる。

今日は一段と暖かくて、屋上全体に爽やかな風が吹き抜けているけど

そんな穏やかな空気の中でも……

2週間前のヒメの言葉が引っ掛かっていて、心に何かが残ったままだった。
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