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片想いの行方 2
第13章 5分の差
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『ヒカル、別に覚えなくていいけど一応紹介しとく。
俺への憧れが強い余り、同じ大学に来ちゃった鈴木蓮くん』

『逆だボケ。
俺のバーターのくせに調子に乗るんじゃねーよ』

『あぁ?なんだとこの野郎。
せっかくの酒が不味くなるから帰ってくれ』

『てめーが呼びつけたんだろうが!
毎回しつこいんだよ!』


………なんなの、こいつら。

成人式を通過して、堂々と飲めるようになった大学2年の花見の席で

その煌めく容姿で周りの視線を一点に集めた2人は、ガキみたいにバチバチと火花を散らした。


『……いや、ヒメ。
紹介してもらわなくても、あたし既に知ってるから』

『はぁ!?
ってことは蓮、てめーヒカルにまで手を出しやがったな!』


………なんでそう捉えるわけ。

つーか酔ってるとはいえ、いつものクールなポーカーフェイスはどこいったんだよ。


『蓮、この勘違いの姫君に説明してやってよ。
あたしと蓮は同じ水泳部で……』

『お前の言う通りだ、ヒメ。
残念だったな』


桜の花びらが舞い散る中、胸ぐらを掴まれた蓮も

少し離れた木の下、体育会系のグループで相当飲んでたらしく

缶ビールを持つ反対側の手で、ヒメの茶髪を引っ張った。


『俺達水泳部のマドンナが、お前だけのもんだと思ったら大間違いだ』
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