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片想いの行方 2
第14章 行かないで
.。.:* side ヒメ *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*


「……クソ。
なんで折り返してこねーんだよ」


BARを出て、連絡通路を進んだ先にあるガラス扉。

それを開けると、ウッドデッキが敷き詰められたテラス空間が広がる。

ライトアップされた夜景を眺めるカップルから離れるように、俺は端のスペースで足を止めた。


………忙しいこの俺様が、さっきから5分刻みで電話してるっつーのに

夜の10時を過ぎても、蓮から着信は無い。

………飛行機が遅れたかなんかで、まだ日本に戻ってないならそれでいいんだ。


だけど


“ なんか、あたし。
勝手に勇気もらっちゃった ”


どうしようもねぇ胸騒ぎがして、携帯を握りしめる。

これだけ落ち着かない気分になるのは、去年美和と再会した時以来だ。


……カンのいい俺の読みが、外れることだってある。

俺が何かしたところで、意味を成さない事も分かってる。

それでも


“ 想い続けていれば
もしかしたら奇跡が起きるなんてこと
………本当にあるのかもしれないね ”


ヒカルの言葉を思い出して

俺はもう一度、リダイヤルの履歴を呼び起こした。
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