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片想いの行方 2
第16章 交代
「この、暴走バカ女」


「…………!!」


突然、低い声が聞こえたと同時に

夜空に向けていたあたしのおでこの上に、ゴンッと勢いよく何かが打ちつけられた。


「~~~~痛っっ!!」

「この俺様を走らせやがって!
ふざけんな馬鹿野郎!」


な、なに………!?

ヒヤッとした感触と痛みで、おでこを押さえながら後ろに振り向くと

肩で大きく息をしたヒメが、怒りのオーラを放出させて立っていた。

手に、缶ビールを持っている。


「……ヒ、ヒメ……?
なんでここに………」

「てめぇが呼んだんだろ!」

「え?呼んだっけ……」

「とぼけんなバカが!」


さっきからバカバカと連発されて、いつもならカチンときて言い返すけど

普段からクールで他人に無頓着なヒメが、これだけ荒々しくキレてるから

その勢いに圧倒されて、言葉が続かない。


「俺のカンは神をも超えたな。
スーパー予言者と呼べ」


意味不明な言葉を呟いて、あたしの隣りの座席に缶ビールを置くと

そのもうひとつ先の席に、ヒメはドカっと腰を下ろした。
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