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片想いの行方 2
第16章 交代
“ 蓮くんを想う純粋な気持ちが少しでも残っているなら
自分を押し付けないで、黙って身を引くべきだと思うの ”
………至極、正論。
強制解雇されたという、名前も知らない蓮のストーカー。
あんたもあたしも、同じなんだよ。
どんなに強く想っても、誰よりも蓮を好きだと自負しても
選ばれなかったあたし達が出来るのは、相手の幸せを願うことだけだ。
………そんな当たり前な事を、どうして一瞬でも忘れてしまったんだろう。
大学時代、誰かに片想いをしていた蓮が
社会人になって、心から愛し合える恋人に出逢えたんだ。
………その人が、真実の相手。
ヒメにとっての、美和さんなんだから………
「……終わったな……」
はーーっと大きく息をはいて、夜空に顔を向けて目を閉じる。
………結局
告白をすることはできず、未遂のまま逃げてきてしまったけど
これだけ思い知らされれば、充分だ。
今度こそ、二度と取り出せない、心の奥底へとしまうことができる。
何度試みながらも出来なかった、蓮への恋心を捨てる勇気。
“ 蓮くんには、もう決まった相手がいる。
……それが、事実なのよ ”
………もう、大丈夫。
自分を押し付けないで、黙って身を引くべきだと思うの ”
………至極、正論。
強制解雇されたという、名前も知らない蓮のストーカー。
あんたもあたしも、同じなんだよ。
どんなに強く想っても、誰よりも蓮を好きだと自負しても
選ばれなかったあたし達が出来るのは、相手の幸せを願うことだけだ。
………そんな当たり前な事を、どうして一瞬でも忘れてしまったんだろう。
大学時代、誰かに片想いをしていた蓮が
社会人になって、心から愛し合える恋人に出逢えたんだ。
………その人が、真実の相手。
ヒメにとっての、美和さんなんだから………
「……終わったな……」
はーーっと大きく息をはいて、夜空に顔を向けて目を閉じる。
………結局
告白をすることはできず、未遂のまま逃げてきてしまったけど
これだけ思い知らされれば、充分だ。
今度こそ、二度と取り出せない、心の奥底へとしまうことができる。
何度試みながらも出来なかった、蓮への恋心を捨てる勇気。
“ 蓮くんには、もう決まった相手がいる。
……それが、事実なのよ ”
………もう、大丈夫。