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片想いの行方 2
第20章 フライングプロポー…ズ?
「……ねぇ、蓮」

「ん?」

「あれ……ここに来た時に見つけちゃったんだけど……///」


唇が離れたタイミングで、ソファの横に置いてある紙袋に目を向ける。

40センチ四方の紙袋には、パリに本店がある有名ブランドのロゴが光っていて

重厚なボルドー色の包装紙に包まれた箱が入っていた。


「……言い訳に聞こえると思うけど」


蓮は気まずそうに溜息をつく。


「あれを買ったのは、3月に出張に行った時なんだ。
遅くなったけど、バレンタインのお礼」

「………!」


蓮は手を伸ばして紙袋を引き寄せると、箱を出して私の膝の上に乗せた。

“ 言い訳 ” だなんて……

このタイミングでプレゼントだと、罪滅ぼしみたいな感じがするからって意味なのかな?

そんなこと思わないのに……///

ドキドキしながら、リボンを解いてフタを開けると……


「………蓮。破産するわよ?」

「こう見えても稼いでるから」

「……でも、これ……」

「クリスマスにも瑠璃から時計をもらっていたのに、俺からは何も贈ってなかったし」


さらっとそう言うけど……

あの時計とチョコレートを足しても、今私の膝に乗っているこの価格には及ばない。

年末のフライトで行ったパリで、同僚の子に付き合って本店に行ったから、値段を知っている。

定番人気はジュエリーだけど、革製品も取り扱う老舗ブランド。

………蓮がホワイトデーとしてプレゼントしてくれたのは、日本に未輸入の新作ハンドバッグだった。
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