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片想いの行方 2
第3章 ☆蓮愛相談室
突然の美和からの感謝の言葉に、俺は固まった。

半分放心したまま、直径20センチ程の四角い箱を受け取る。


「………なに?急に」

「いいから開けてみて」


大きな目をキラキラさせて、美和はウズウズした様子で俺を見つめる。

言われるがまま、白い箱の蓋を開けると

その瞬間、中から甘い香りが漂ってきた。


「…………!」


フルーツが沢山乗った、手のひらサイズのタルトケーキ。

ひとつひとつ装飾が施されたトリュフやショコラが、その周りに散りばめてある。

タルトを囲んで、チョコレートの粒が綺麗に並べられていた。


「チョコは家で準備して、タルトはさっきまでここで作ってたんだよ」


箱を見つめたまま、完全にフリーズした俺に向かって

美和は満足そうに続けた。


「ヒメ、来週から出張でしょ?
だから、1週間前倒ししたの」

「…………っ」

「年末にもらったネックレスのお礼と
バレンタインに因んで、私からの感謝の気持ち………です」


美和はそう言うと

恥ずかしそうにもう一度微笑んだ。

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