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片想いの行方 2
第5章 ★完璧な男
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「え?一瞬別れてた?」
バンクーバー国際空港。
従業員専用の化粧室で、同じ国際線CAの同期が振り返った。
「年末の腫れた瞼は、それが原因だったってこと?」
「……うん。
人生で1番泣いたかもしれないわ」
口紅をリップブラシですくい、鏡を見たまま答える。
2月上旬。
ニューヨークJFKへの直行便の機内で、蓮と偶然再会してから
1ヶ月が経った。
「それが今では元に戻って、昨日も彼のホテルで熱い夜を過ごしてるなんて。
その空白の1週間がすっごい気になるんだけど?」
「……色々あったのよ」
「ふうん?
まぁ、瑠璃があれだけ泣く所なんて見たことなかったし。
蓮くんがまた彼氏になったなら、本当に良かったね」
同期が鏡越しにニコッと笑う。
その言葉に、私も微笑んだけど
入社した時から仲の良い彼女に、つい本音を漏らしてしまう。
「………でも、前よりも不安なの。
彼女になれたのに、片想いしてるみたい」