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片想いの行方 2
第6章 ★君のままでいい
バッと顔を上げると
彼は私に向かって優しく笑った。
「ありがとう、助かった」
……綺麗な声。
ドクンと心臓が跳ねる。
……まさか……よね?
偶然同じ名前で、人違いってことだって……
でも、もしかしたら本当に……
「ほら、やっぱり俺の言った通りじゃないですか。
入ってからで良いんですよ」
「俺は姫宮と違って、何事も確認してから行く慎重派なんだよ」
「なんすかそれ」
会話する彼の姿を、もう一度見つめた。
「…………」
蓮とタイプは違うけど
すらっとした手足に、センスのいいお洒落な服。
ツーブロックの髪、整った鼻筋、シャープな輪郭。
バルセロナの夜、蓮が酔っぱらって話した時の事を思い出す。
……そう、確かに
蓮は彼をヒメと呼んでいた。
“ 名前が同じ ”
“ 茶髪でイケメン ”
「……………っ」