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片想いの行方 2
第6章 ★君のままでいい
「……………っ」


熱い想いが全身を巡り、鳥肌が立って

涙が溢れそうになるのを、必死に抑える。

彼は、再び私に視線を戻すと

痺れるほど素敵な微笑みを浮かべた。



「……だから君も

相手が何を求めてるか考えたり、無理に相手に合わせようとか思わずに

彼女である今を誇りに思って、自分らしくいればいいんだよ」


「……………!」


「俺がその完璧な男なら

相手にはそうであってほしいと願う。

……君は、君のままでいいんだ」


……………っ

……もう、ダメ……

ひとつひとつの優しい言葉が、心に染み渡って

涙を抑えることが、もう出来なくなってしまう。

………初めて逢った人なのに

ずっと心の奥から取れなかった蟠りが、すうっと消えていくみたいだった。


……その時


「悪い姫宮、おまたせー!」


もう1人の男性が、駆け足で戻ってきた。

彼は表情を元のポーカーフェイスに戻す。


「長かったっすね。
ちゃんと出しきったんですか?」

「あぁ、バッチリ」

「じゃ、行きますよ」


彼はキャリーケースを持って、再び歩き出した。
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