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片想いの行方 2
第6章 ★君のままでいい
蓮ともう1人の彼が、好きだった彼女さん。
10年前、どちらにも答えを出さなかった貴方を、少しズルいって思ってしまっていたけど
貴方が2人の間で揺れた気持ちが、今は痛いほど分かる気がする。
……選べないよ。
貴方じゃなくても、選べない。
タイプは違うけど、2人は本当に似ているのね。
優しくて、強くて
相手を大切にする、心の綺麗な2人の蓮。
“ 自分らしくいればいいんだよ ”
「………ありがとう」
もう姿が見えなくなった彼に向かって、私はもう一度呟いた。
もうすぐ来る、私の大切な恋人。
バレンタインの力も借りて、私の想いをもう一度伝えたい。
だけどその前に、泣いた顔を元に戻さなきゃ。
そう思って、一度化粧室に向かおうとすると
「瑠璃」
後ろから、蓮の声が聞こえた。