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例えば、こんな...
第12章 女子高生と先生と #2
立ち去ろうと向きを変える直前、突然扉が開いた。
「じゃあねー。先生ありがとうございましたー」
中から出て来たのは初めて見る女子生徒。後から男子が二人続き、さっきの女の子ともう一人男子が出てきた。背の高い男子の姿に身体がすくむ。最後に出てきた男の子が私を見てニッと笑い中を振り返った。
「さいとー先生、可愛いお客さん来てまっすよー」

えっ!

まさか斎藤先生を呼ばれるなんて……
驚きに肩が跳ねた。
「あ、いえ」
「あーもしかして待ってた?ごめんね」
「ち、ちが」
「廊下も暑いよねー?斎藤先生にお茶いれてもらいなよー」
否定しようにも女の子達が次々に話しかけてくる。
「中涼しいよー」
閉まりかけてた扉が大きく開いて。
「俺の客なんだろう?お前らは気を付けて早く帰れ、よ」
顔を出したのは斎藤先生。何時もの様に白衣の袖を捲り上げた腕で扉を押さえ、私を見て一瞬目を見開いた。
「斎藤先生、可愛いからって手ぇ出したら犯罪っすよ」
目敏い男子生徒に、斎藤先生が呆れた顔になる。
「お前らみたいなガキ臭い高校生じゃあ役者不足」
諌めるために言われた言葉。私個人に対してではない。分かってる。
でも私も“ガキ臭い高校生”である事に違いはなくて……
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