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暁闇
第1章 Prologue
「……ね、ふたりはどこで出会ったのかな」
私のその疑問に、葉月くんは少し考えて。
「……僕たちの結婚披露、のあのときだったりして」
「え……?」
「だってあのとき、ふたりとも来てくれてたし」
「あ、うん、確かに……」
私は、そう答えながらふたりの姿を想像した。
村上くんの隣にいる、松下さん。
思い出す。とっても大人っぽくて、美人で。落ち着いた雰囲気を持っていたその人。
「……よかった」
葉月くんが、呟いた私の頭をぽんぽんと撫でる。
「ほんとだね」
こくん、と私は頷いて。
「……ごはん食べたら加奈に電話しようかな」
ふふ、と葉月くんに笑いかけると、彼も笑って応えてくれて――――。