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暁闇
第2章  花冠の……


高1のときに、好きになって。
告ったけどふられて。
でも、友達のポジションでずっとそばにいた。
桜井に彼氏ができたときも。
……別れたときも。
時々、かげりのある表情を見せる彼女に気づきながらも、気づかない振りをして、いつものように普通にそばに居続けた。

大学三年。
他県の大学に行ってた葉月先輩がこっちに戻ってきて。
先輩のことを彼女の口から聞かされるたびに、嫌な予感で俺の胸はざわざわと騒いで。

……そうであってほしくはなかったけれど、それは、予感していたとおりになって。
俺の二度目の告白も、彼女の心には届かなかった。
自分の中で氾濫する先輩への想いで身動きが取れず、苦しんでいた桜井。
半ば無理矢理に、俺の彼女にした。
付き合ううちに、先輩のことを忘れて、俺を好きになってくれることをただ、願って。

――それはやっぱり、叶わなかったけど。


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