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暁闇
第2章 花冠の……
その後、ふたりは想いを通じ合わせて。
あっという間に、結婚なんて流れになっていって。
そしてこうして、俺は彼らを祝うために今、その会場への道を歩いてる。
「……迷ったんだけどさ」
「え?」
ぽつりと漏らした俺の呟きを、坂本は拾って。
「いや、ほんとに俺……行っていいのかなって」
「村上……」
「かえって向こうに気を使わせるんじゃねーのかな、とか……まあいろいろ」
「……っ、そんなことないって!」
坂本は、俺の言葉を否定した。
「琴音、村上のこと招待してもいいのかな、ってずっと悩んでたよ?
来て欲しいけど、そんなふうに思うこと自体ほんとは間違ってるかも、って」
「……ん」
だろうな、あいつなら。
「それを私が、行くか行かないかは村上が決めることだから! って。
そう言って納得させたんだもん――――」
懸命に説明してくる坂本。
その必死さ。