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暁闇
第9章 その予感は
「……結ちゃん、いい子でほっとした」
洗い物をしながら、あおいさんが呟く。
「ん」
俺もそれに同意する。
「ありがとう、翔悟くん。
翔悟くんがいてくれたから、なんとか落ち着いておもてなしできた、かな」
「……役に立てたならよかったです」
その言葉に、あおいさんは俺を見て。
「すごく助かりました」
ふふっ、と笑う。
――そのとき、ドアが開く音がして。
振り向くと、丈が部屋から出てきた。
俺の後ろを通り過ぎるとき、くいっ、と服を引っ張ってきて。
「ん?」
そのまま小さく手招きされた。
「……ごめんあおいさん、ちょっといい?」
「うん」
俺は断ってからその場を離れて、丈が消えた方へ向かう。
そこは洗面所で、何? と尋ねた俺に丈は囁いた。