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暁闇
第11章 始める決意
……ああ、本当にそのとおりだよ。
俺は苦笑しながら、丈の胸元を拳で軽く叩いた。
「……丈のくせに」
「はあ? 何だよそれっ」
彼は楽しそうに、くくっ、と笑って。
「……じゃ、オレ、中入るから」
「ん」
「でも後でLINEするね。
翔悟さんにちょっと相談あるんで」
「分かった」
バイバイ! と手を振って、店の中へと丈が入っていく。
俺は、振り向いて。
道の端に寄って、俯いている氏井さんのもとに急いで戻った。
「ごめん……!」
彼女はその声に、ぱっと顔を上げ。
ううん、と首を振る。
「村上くんのお知り合いなの?」
「ん……友達、の弟」
あおいさんのことを何と言ったらいいのか躊躇いつつ、結局そんな言葉にした。
彼女は、そうなんだ、と呟いて。